FAQ(よくある質問)
FAQ(よくある質問)
Q.自動車があっても個人再生は使えますか?
自動車があっても個人再生は使えます。
家と同じように車に愛着を持っている方はたくさんいます。なるべく今の車を維持したいですよね。
自動車ローンが残っていない場合には、自動車はそのまま使い続けることができます。
車の価値が清算価値に加算
ただし、個人再生手続は、「財産以上の支払をする」ことが要件の1つとされます。これを清算価値基準と呼びます。
そのため、自動車の価値を加えた全財産以上の支払をしなければなりません。
車の価値が30万円で、他の財産価値が100万円だった場合、130万円は最低支払う必要があります。車以外の財産が少ない場合には、返済額は変わりません。
高額な車の場合には、借金の支払い額が多くなってしまう可能性はあります。
自動車は残せるものの、支払い額が高くなるかもしれないという関係にあります。
20万円以下の車は無価値と評価
このような清算価値の判断の際に、20万円までの財産をどう評価するかについて、各地の裁判所で運用が分かれています。
神奈川県内の横浜地方裁判所では、2021年4月に、20万円以下の車は無価値、0円と評価して良いことと運用変更されました。
自己破産でも、このような車は無価値とされ残せることが多いです。
自己破産との比較で、個人再生でも0円と評価することに統一されたものです。
Q.2021年4月の神奈川県の個人再生の清算価値変更点とは?
車の価値は査定書を提出
では、個人再生手続きで、車の価値はどのように算定するのでしょうか。
裁判所が評価するかというと、そのようなことまでしません。
個人再生を申し立てる側が、査定書などの資料を取得し、添付資料として提出するのです。
あまりに、実態とかけ離れた査定価格だという場合には、指摘されることもありますが、よほどのことがなければ、簡単な査定書の提出で足ります。
査定書の取得については、費用をかける必要はなく、無料査定や一括見積もりでも構いません。
以下のようなサービスを利用すると、メールでの査定価格を伝えてくれたり、幅のある査定価格が出されるので、その中間値、平均値などを資料として提出します。
自動車ローンが残っている場合の引き上げ時期
次に、自動車ローンが残っている場合です。
自動車ローンが残っていて、ローン会社に所有権留保がついている場合、ローン支払停止により、原則として自動車は引き上げられます。
引き上げの時期については、個人再生を弁護士に依頼し、受任通知を送ると、1~2週間でローン会社から連絡が来ます。そこで引き上げ業者と日程調整をして決めます。ですので、依頼をしてから、2~3週間といった時期であることが多いです。
この引き上げ時期については、ある程度、猶予してもらえます。
個人再生の場合、すべてのローン会社を平等に扱う必要があるため、自動車ローンだけ個人再生から外す、ということは原則としてできません。
「原則として」と言ったのは、自営業者で車が必要、というような場合、例外的に、自動車ローン会社と協定を結び、自動車ローンもそのまま払い続ける、という方法もあるからです。会社の民事再生などでは、このような別除権協定が結べることも多いのですが、ローン会社、裁判所の対応次第なので、自営業者だから認められる、というわけでもありません。
あくまで例外的な手法になりますので、このような手続を希望される方は、一度ご相談ください。
また、それ以外に、家族が自動車ローンを肩代わりできるような場合には、車を維持できる可能性もあります。
残ローンが少なくなっているような場合に、個別に対応することもできます。
家族が買い取り、名義変更することで、車を残す余地もあります。この場合、車両価値やローン額の算定をしたうえで売買契約書などを作成する必要がありますので、弁護士と相談しながら進めるようにしてください。
ローン会社に所有権留保がないとき
自動車ローン名目での借入でも、信用金庫のカーローンなどの場合、所有権留保がついていないことも多いです。
所有権留保がついていなければ、自動車は担保に取られてないので、ローンを止めても、自動車はそのまま使えます。
自動車ローンが残っていない場合と同じ扱いです。
また、普通乗用自動車で問題になるケースとして、ローン会社との間の契約では所有権留保がついているものの、車検証上の所有者が販売店になっているというケースがありました。
この場合、早期に個人再生の申立をして決定を得ることで、自動車の引き上げを事実上、拒絶できることがありましたが、最判平成29年12月7日により今後は引き上げが認められてしまうケースがほとんどでしょう。
この点は、契約書のタイプが連帯保証方式か立替払方式かによっても変わりますので、一度、ご相談いただいた方が良いでしょう。
軽自動車の引き上げ
最後に、軽自動車で自動車ローンが残っている場合については、所有権留保の対抗要件として登録ではなく、引渡とされています。
この引渡には占有改定も含まれますので、売買契約書等で販売会社やローン会社に占有改定がされている場合には、対抗要件があると評価され、所有権留保があるとして引き上げがされることになります。
軽自動車の場合には、車検証だけ見てもわからないということです。
自動車をお持ちの方で、個人再生手続をご相談の方は以下のボタンよりお申し込みできます。