FAQ(よくある質問)
FAQ(よくある質問)
Q.ペアローン、親子ローンでも個人再生できますか?
ペアローン、親子ローンとは、夫婦間や親子間で住宅ローンを連帯債務ではなく、バラバラのローンで組んでいる場合です。
このようなローンでは、不動産の登記名義は共有。
不動産の全体に
第1順位 夫のローン抵当
第2順位 妻のローン抵当
のような抵当権の設定がされていることがあります。
登記簿謄本でこんな状態になっている人です。
個人再生の住宅ローン条項では、不動産に他人の借金の抵当権がついていると使えません(民事再生法198条1項但し書き)。
ペアローンの場合、夫側から見ると、不動産には、第2順位として別人である妻のローンの抵当権がついてしまっているため、形式的にはNGです。
しかし、実質的に見れば、明らかに関連するローンなわけで、これで個人再生が認められないのは不当です。
そこで、多くの裁判所では、夫と妻が同時に個人再生の申立てをすれば、住宅ローン条項付きの個人再生を認める運用になってきています。
さらに、書籍によれば、東京や大阪では、そもそも妻が必要もないのに、この点だけのために申立てをしなければならないのはおかしいことから、夫だけでの申立てでも個人再生を認めた例があるとされています(『破産・民事再生の実務[新版]下』、『個人再生の実務Q&A100問』など)。
ジン法律事務所弁護士法人でも、神奈川県内で、夫だけの単独申立てにより個人再生を認めてもらえたケースが複数あります。
たとえば、横浜市での個人再生事例。
ただし、ペアローンでありながら、お互いの債務を保証している場合、保証債務の取り扱いが問題になり、個人再生委員が選任されるケースもあります。また、申立をしない配偶者などに、住宅ローン以外の債務があると、そちらの支払により住宅ローンの返済が維持できるか疑問視されるため、個人再生委員が選任されてしまいやすくなります。
この問題は、もともと形式的にはNGのところから始まっています。
そのため、例外的な対応である単独申立ては、ポイントを外すと認められません。
2人とも申立てをしなければならないとすると、当然ながら費用がかかります。単独申立ての可能性を少しでも上げたい方は、ぜひ一度ご相談ください。