裁判例
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小規模個人再生後に詐害行為取消訴訟を起こされた事例
ある債務を連帯保証した人が、不動産を子に贈与しました。その後に、小規模個人再生手続の申立をし、再生手続開始決定がされたケースです。
このようなケースで、連帯保証をされた債務の債権者が、贈与は詐害行為だとして、詐害行為取消訴訟を子に対して提起したという内容です。
一審は、子に詐害の認識がないとして請求棄却。
債権者が控訴したところ、今回の判決でも、控訴棄却とされたケースです。
小規模個人再生手続では、破産制度とは異なり、手続き前の贈与を取り消すなどの否認制度はありません。
そこで、民法上の詐害行為取消権が使えるかが問題にされました。
しかし、判決では「小規模個人再生においても、再生手続が開始された後は、債権者間の公平を図るために、再生債権の個別的な権利行使は許されないものとして、債権者が再生手続外で別途、詐害行為取消権をkぉうしすることはできないと解するのが相当である」として、否定しました。
判決文では、否認制度を免れるために、個人再生の申立をしたようなケースでは、債権者としては、不当な目的だとして棄却を求めたり、否認権行使により回復されるべき財産に相当する価額を加算した再生計画案の提出を求めることなどができるのだから、債権者の保護も図れているとされています。