裁判例
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3度目の個人再生申立が認められた事例
名古屋高等裁判所平成26年1月17日決定です。
1 給与所得者等再生
不認可
2 小規模個人再生
不同意により廃止
3 再度、給与所得者等再生の申立
この3番目の再生手続開始決定が認められたという決定です。
地方裁判所の再生手続開始決定に対して、債権者が抗告をしたところ、高裁により、この抗告を棄却するという決定がされ、給与所得者等再生手続で進めることが認められたという内容です。
最初の1の給与所得者等再生手続きでは、
「給与名目で役員報酬の支払を受けているものの,その額が会社の業績に応じて4割もの減額を受けることがあり,今後更に減額となるおそれがある ことなどを理由に,相手方が「給与又はこれに類する定期的な収入を得ている者に該当しないか,又はその額の変動の幅が小さいと見込まれる者に該当しない」 (民事再生法241条2項4号)として,相手方が提出した再生計画については不認可とすべきである」
と決定され、不認可にされてしまったようです。
収入の変動幅が大きすぎるとされてしまったようですね。
2の小規模個人再生手続が廃止になってしまったのは、過半数の反対があったことによるものです。
そこで、再度、給与所得者等再生の申立がされ、今回は、就職をして、安定した収入を得ていたというケースです。
個人再生では、失敗とか不認可を心配する人が多いですが、ここまで債権者が反対してくるケースは少ないです。
個人債権者であるとか、取引先であったりすると、このような心配をすることもあります。
ただ、あきらめなかったことで、3度目の正直で認められたという事例ですね。債権者からの破産申立もされているという事例です。
「相手方は,第1次再生事件後,会社の代表取締役を辞任し,Eに就職して,月額30万円程度の給与の支払を受けており,第2次再生事件の申立ての時点では,第 1次再生事件時とは収入の状況に変動が生じているのであって,第1次再生事件において再生計画が認可されなかったことをもって,第2次再生事件に係る申立 てや本件申立てが,不当な目的の下になされ,又は誠実になされたものでないとはいえない。」