ケース紹介
寒川町の個人再生ケース紹介
ケース紹介116 Yさんの事例
寒川町在住 ( 会社員 / 40代 / 男性 )
借入の理由:教育費、親族費用 債務総額1200万円
神奈川県の寒川町に在住の40代男性からの相談でした。
JCB、オリコ、SMBCなどにそれぞれ300万円と多額の借金が膨らんでしまい、支払えないとの相談でした。
借金の減額幅
債務約1270万が約253万円まで減額されました。
1000万円程度の減額効果が得られています。
家族の生活費と個人再生
10年以上前に、一人暮らしをしていた母親への援助を始めたとのこと。
亡くなった父の債務を返済していて、生活費が足りないということで、月額3万円程度の援助をしていました。
これにより自分たちの生活費が足りない時期には、一時的にクレジットカードを利用するなどしていたとのこと。
借金をして誰かにお金をあげる贈与をしていると問題になることも多いですが、このようなケースでは、親子間の扶養義務もあります。
義務があるのであれば、支出は正当化されますので、その金額や他の義務者(兄弟姉妹等)がいるかどうか、彼らの不要能力等を裁判所に報告する必要が出てきます。
寒川町で住宅ローン
10年以上前に、住宅ローンを組んで寒川町に家を購入しました。
収入から払えると見込んでの購入でした。
しかし、その後、子2人が同時に幼稚園に入り、費用がかなりかかってしまう時期がありました。その下には3人めの子も生まれていたので、妻も働けず、家計が非常に苦しくなりました。
教育費が予想以上にかかってしまったのです。
教育ローン相談
寒川町に支店がある銀行に教育ローンの相談に行ったところ、カードローンを勧められたので、そこでキャッシングをして、幼稚園費用等に充てる生活が続きました。
一般的には、教育ローンのような目的別ローンよりもカードローンのほうが利率は高いです。
何にでも使えるという便利なものですが、その分、金利が高くなってしまうのです。
これにより、少しずつ借金は増えていってしまいます。
自転車操業で個人再生
返済が苦しくなると、他の銀行からキャッシングをして返済にあてるような生活が続いてしまいました。
最近の4、5年は返すために借りているような生活が続きました。
子育ても一段落した妻がパートに出て家計は改善しましたが、気づけば借金の額は膨れ上がっていたため、焼け石に水。借金を減らすことはできず、個人再生手続の相談に来たという経緯です。
寒川町の自宅は残したいということで、住宅ローン条項を使った個人再生を申し立てることになりました。
個人再生と退職金
個人再生では、退職金見込額を証明書などで明らかにします。
いま職場を辞めたら支給される退職金額を計算し、その8分の1を財産として計上するためです。
ただ、会社によっては証明書等を出せないこともあります。退職金規程などから計算して報告する方法もあります。
書類がない場合でも、働き始めてからそれほど年数が経っていない場合には、支払額に影響がないとして、報告書のみ提出することで個人再生を進められることもあります。
今回の事例でも、退職金の見込額の証明書を出してもらうよう人事部に問い合わせをしたのですが、まだ受給できる勤続年数に達していないということで、退職金はなく、そのような証明書も出せないと言われたので、その旨の報告をしています。
従業員持株会と個人再生
個人再生では、株式などの有価証券を持っている場合には財産として清算価値に加算されます。
証券会社を通じて自分で取引をした株式のほかに、職場で加入した従業員持株会も対象です。
従業員持株会の制度を使っている場合には、持ち株数を特定し、申立時の取引価格で計算するなどして資産価値を出します。
今回の件でしゃ、持ち株会について、会社に確認してもらったのですが、支払通知書以上の資料はもらえませんでした。持ち株会については、毎月の給与から一定金額がが控除されていました。
支払通知書では、過去2年間の年末での保有株数が計算されていました。
そこで、今後の取得見込み株数を計算し、申立時の1株あたりの株価から持ち株数をかけて、財産額を計算する方法で申立を進めています。
団体保険の資料
職場でのグループ保険に加入していたため、その報告もしています。
個人再生では、保険に入っている場合、解約返戻金が財産になるため、解約返戻金見込額の証明書を取得します。
保険の性質上、解約返戻金がない場合には、その旨の証明書を発行してもらったり、解約返戻金がないという約款の写しを裁判所に提出したりします。
ここで、職場で加入する団体保険のような場合、保険証券がなかったり、約款ももらえていないこともあります。
保険の資料についても、保険会社への問い合わせではなく、職場の担当部署を経由しなければならないこともあり、手間が増えることが多いです。
今回のケースでも、団体保険のため、保険証券の発行はありませんでした。
解約返戻金については、保険制度の案内という資料があり、そこに解約返戻金は出ないことが記載されていたので、それを提出しています。
個人再生と諸費用ローン
個人再生で、住宅を維持する住宅ローン条項を使う場合には、住宅ローン以外の抵当権が設定されていないことが必要です。
ここで、自宅の不動産登記事項全部証明書を見て、抵当権設定が2件ついていることがあります。その中で、数千万円単位の住宅ローンのほかに、数百万円のローンの抵当権が別に設定されていることがあります。住宅ローンを2契約にして組むこともありますが、諸費用ローンという名目で、借入の契約が分かれていることもあります。
本来、諸費用ローンは、住宅ローンそのものではないので、個人再生上の要件を満たさないのではないかと指摘されることもありますが、住宅ローンと関連している費用のため、神奈川県の運用では、諸費用ローンの使途が住宅ローン関係であれば、ほぼ問題なく住宅ローン条項つきの個人再生が認められています。
今回、住宅ローンの契約のうち、諸費用目的とされた200万円のローンは、こちらから特に求めたものではなく、銀行と不動産業者に言われるままに設定したものでした。
その中から、外構費や登記費用、仲介手数料等を支払ったとのことで、その旨の報告書を提出し、個人再生が認められています。
個人再生と自宅への郵便物
今回のケースでは、事情があり、自宅に郵便物を送らないでほしいとのことでした。
個人再生では、弁護士が代理人になって申立をするのであれば、個人再生に関する裁判所の決定などは、すべて弁護士の法律事務所宛に郵送されます。
裁判所から自宅に届くものではありません。
多くの法律事務所では、裁判所の決定書類などを依頼者である皆様のご自宅に郵送する取り扱いをしています。
自宅宛に郵便物が届いて困る場合には、郵便以外の方法で受領できないか弁護士に相談してみてください。
今回のケースでも、自宅に郵便物が届くと困るとのことで、郵便を送らない対応にしています。
ただ、このような対応は、弁護士事務所から皆様へのご自宅への郵便物を止める取り扱いにすぎません。
別ルートでの郵便物は届き、それにより家族に借金が発覚することがあります。
注意しなければならないのは、弁護士に個人再生を依頼して、受任通知を送ったことで請求書や督促状は届かなくなるものの、債権者からの民事裁判は止められない点です。
準備に時間がかかり、債権者が個人再生の申立を待てずに民事裁判を起こしてくることがあります。民事裁判が起こされたという訴状は、裁判所からご自宅宛に届きます。予め法律事務所に送るようなことはできないため、家族が郵便物を受け取ることもありえます。
また、民事裁判で判決が出ると、給料や預金口座の差し押さえをしてくる債権者も多いです。この場合の差し押さえに関する書類も裁判所からご自宅に届きます。
そのため、借金に関する郵便物が自宅に届くと困るという場合には、債権者が裁判を起こしてくるよりも早く、個人再生の申立を進めるなど、注意が必要になります。
個人再生と5年弁済
個人再生による減額率では、5分の1になる金額帯でした。
収入からすると5分の1の金額を3年で支払うのは厳しかったため、当初から5年弁済を前提にしていました。
家計の状況や、お子様の教育費など不確定部分があることから、特別の事情を主張し、5年弁済の再生計画案を提出し、認可してもらっています。
これにより、寒川町の住宅ローンはそのまま支払い、その他の借金については、毎月4万2000円の支払まで減らせる結果となりました。
債務約1270万が約253万円に減額できています。
寒川町にお住まいの方の個人再生の依頼も多くありますので、借金でお困りの方はぜひご相談ください。