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ケース紹介57  N さんの事例 

横浜市瀬谷区在住 ( 会社員 / 30代 / 男性 )

借入の理由:失職、生活費 債務総額 650万円


横浜市瀬谷区にお住まいの30代の男性のケースです。

妻子と3人暮らしの方です。

クレディセゾン、オリコ、ニコスなどのクレジット会社、消費者金融に650万円の債務があり、支払えないという相談でした。

著者 弁護士石井琢磨

 弁護士石井琢磨
 更新:2021.7.29

 

日常使いからのリボ払い

20代前半の頃にクレジットカードを作り、お金が足りない時期に日常的に利用していたとのことです。

当初は、収入で払える金額で使っていましたが、徐々にリボ払いにより残高が増えてしまっていました。

最初は翌月一括で使う人も、徐々にリボ払いに移ってしまうことも多いです。

そのほうがカード会社は利益になるため、誘導されることも多いですね。

 

休職による収入源

債務がある状況で、収入が減ってしまうと、支払が難しくなります。

相談者の方も、激務であったことや職場の人間関係により、精神的に参ってしまい、1年ほど休職となりました。


それまでは、住居費を会社が負担してくれていたのですが、自己都合の休職ということで自己負担となりました。

また、収入も減りました。

そのため、持っていたカードでキャッシング等をして生活費を補っていました。


その後、復職するも、また徐々に精神的な症状が出てしまい、欠勤が増えるようになってしまいました。

結局、退職に。

精神面での休職となった場合、同じ環境で復職するのがうまくいかないことも多いです。

 

再就職までの期間

その後、就職活動をしたものの、体調のこともあり、転職できるまで1年以上の期間がかかってしまいました。

このあいだの生活費も不足し借入により補います。

再就職して収入を得られれば返せるとの見通しで、日々の生活費を借り入れで補っていきます。

 

結婚後の秘密

このような状況で、妻と結婚したのですが、借金するような人とは生活できないと言われており、当初から借金のことは隠していました。

ただでさえ、返済が難しい状態でしたが、家族に秘密で借金となると、返済のために新たに借入をするような自転車操業状態になって、より苦しみます。

家計が同一になると、給料の大部分を妻に管理されることになり、小遣いや、事情を知っている親族から援助を受けるなどして返済を続けていましたが、当然ながら限界が来ます。

そのような限界状態から、相談に来ました。

 

家族に秘密での個人再生

借金のことは、本来であれば、妻に告白し、返済に協力してもらわなければなりません。

しかし、妻に知られれば間違いなく離婚となり、子供のためにもなりません。

個人再生による減額を受けられれば、自身の管理している収入から返済できる見通しであったことから、家族には言わずに個人再生の申し立てをすることとなりました。

裁判所関係の書類もすべて郵便ではなくメールでの対応に。

 

 

妻が管理している口座の清算価値

妻が管理していた家計口座について、清算価値に計上するかどうかも問題となりました。

同一家計であったものの、口座名義は妻名義でした。

ただ、資金の流れについては、妻の収入以外に、相談者からの資金移動も明らかに認められました。

そのため、共有財産として、口座残高の2分の1を清算価値に計上する方法で進め、裁判所に認めてもらえました。

 

 

社宅を利用している場合の資料は?

個人再生では住居資料として、賃貸物件に住んでいる場合には、賃貸借契約書を提出します。

所有物件の場合には、登記簿謄本、全部事項証明書等を提出します。

親族所有物件の場合には、所有者から居住証明のようなものをもらうこともあります。

社宅の場合、社宅の利用契約書などがあれば、それを提出することになります。

しかし、このような明確な書類がないこともあります。会社が家賃を支払い、給与から社宅費が控除されている関係だけのことも多く、利用関係の書類の発行もできないとのこともあります。

このような場合、報告書の補充で足りることがほとんどです。

 

手続きの方針・結果

ボーナスにより自分の預金がある程度あったこと、保険等の資産も一定額あったこと、共有財産があったことから清算価値が約150万円でした。

そのため、借金の5分の1よりも、清算価値の方が若干高い金額となりました。

650万円の借金を150万円へ減額する再生計画案を作成し認可されています。

 

 

瀬谷区を含め、横浜市にお住まいの方からの依頼も多くありますので、借金でお困りの方はぜひご相談ください。

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