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ケース紹介61  I さんの事例 

相模原市在住 ( 会社員 / 20代 / 男性 )

借入の理由:交際費 債務総額 500万円


相模原市にお住まいの20代の男性のケースです。

エポスカード、オリックス・クレジット等の借金が500万円以上あり、支払えないという相談でした。

著者 弁護士石井琢磨

 弁護士石井琢磨
 更新:2021.7.29

 

就職直後の交際費

現在の職場に入社直後しましたが、勤務地が、地方で社宅暮らしでした。

当初2年間の研修を兼ねての勤務でした。

そこでは、職場の先輩から誘われると飲みに行かなければならず、付き合いの費用が足りずに、カードでキャッシングをしたりして、飲み会の費用や生活費の補填をするようになりました。

狭い職場での付き合いで、借金を負ってしまうケースも多いです。

 

付き合いでのギャンブル

また、働き始めて数ヶ月後には、同僚に誘われてパチンコに行くようになってしまいました。

周りの同僚はみんなやっていたので、付き合いでやっていましたが、お金が足りずにキャッシングをするようになってしまいました。

同じような行動をしていた同僚たちからはお金が足りないという話は出ておらず、同僚たちがどうやってやりくりをしているのか不思議でした。

借金は徐々に増えてしまい、さらにパチンコをやっていると金銭感覚がおかしくなってしまいました。就職後にスマホで始めたソーシャルゲームでも、課金をするようになってしまい、月に数万円も使うようになってしまいました。

職場によっては、付き合いでパチンコや競馬などのギャンブルに手を出すことも多いです。

残念ながら、これも借金のきっかけとなります。

 

実家に戻るも返済できず

研修期間が終わり、実家に戻り、支出も減ったので、返済できると考えていましたが、それまでの借金の利息が高く、借金は少しずつ増えてしまいました。

ここで利息の怖さに気づくわけです。

さらに、父親からは借金があると告げられ助けてくれないかと打診されました。

家族への援助を求めることもできないことが判明します。

実家にいるため、一定額は生活費として入れざるを得なくなっています。

この話を聞いて、借金は簡単には解決できないのだと実感し、冷静に自分の借金額を整理したところ500万円にもなってしまっていることが分かりました。

さらに、年齢や人生設計によって、いつまで実家にいられるかも分からず、全額を返済するのは難しいと感じ、個人再生手続の相談に来たという経緯でした。

 

個人再生の場合、このような浪費傾向が改善されているかどうかが重視されますが、相談者は、すでに職場の飲み会や、付き合い、友人との遊びの費用なども予算を決めて、その中でやりくりするようにしており、減額さえできれば、履行可能性は認められる状態でした。

 

給料明細からの天引き内容の説明

個人再生の申立では、給料明細を提出するところ、控除欄の天引き内容の説明を求められることも多いです。

今回は、多くの控除事項がありました。

団体保険の控除があったため、解約金の調査をする必要がありました。
問い合わせをしたところ、解約返戻金はない、書類の発行はできないと言われたため、入社してから継続して入っている保険であること、保険期間が1年で、毎年年末調整の際に、不足金が引かれているなどの精算状態を説明しました。

 

毎月財形貯蓄へ積立があったため、申立時の、財形貯蓄の総残高を示す書類を提出しています。

毎月組合費が天引きされているため、労働組合費用であることを補足説明。


毎月共済会費が天引きされていたため、福利厚生の一環で、結婚や出産、家族の死亡などのときの慶弔費が出る制度で、解約返戻金がないことを示しました。


退職金見込額の説明

会社に退職金見込額の証明書を発行して欲しいと依頼しましたが、発行はできないとのことでした。

ただ、計算方法は口頭で教えてもらえましたので、その計算結果を算出し、報告書にまとめました。

退職金は、老齢給付金(年金)と脱退一時金から構成されていたところ、相談者の勤務年数では、脱退一時金だけになるとのことでしたので、その計算を提出しました。

規定の中では、仮想個人勘定残高や経過仮想個人勘定残高の算出が必要となったため、規定の分析に時間がかかる内容でした。

20代ということもあり、退職金見込額は72万円程度で、清算価値では8分の1評価されますので、支払い額に影響を与えるものではありませんでした。

 

同居家族に秘密での申立

今回、同居家族には伝えらずに申し立てをしています。

家計が独立していることや、父の借金で母が精神的に参ってしまっており、相談者の借金の事を伝えると、症状が危ないため、借金のことは伝えられずに申し立てをしています。

自分の収入から履行可能性が認められたため、この点は問題なく手続きを進めることができました。

 

手続きの方針・結果

財産については、ほぼなく、借金の5分の1が支払基準となりました。

約500万円の借金が5分の1となり、100万円程度を返済する再生計画案を作成し認可されています。

家族に秘密ということもあり、債権者からの手紙が届く可能性も減らしたいということで、毎月の送金についても事務所で管理し、3年間の返済を完了させることができました。

相模原にお住まいでしたので、横浜地方裁判所相模原支部の取り扱いとなっています。

 

 

 

相模原市にお住まいの方からの個人再生の依頼も多くありますので、借金でお困りの方はぜひご相談ください。

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