ケース紹介
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ケース紹介65 Aさんの事例
神奈川県在住 ( 自営業 / 50代 / 男性 )
借入の理由:事業資金 債務総額 1900万円
神奈川県にお住まいの50代の男性のケースです。
日本政策金融公庫や銀行の事業資金理由の借金が約1900万円あり、支払えないという相談でした。
事業拡大の失敗
自宅を使って整体院経営をしていました。
事業用の機械の購入のため、銀行のビジネスローンで借入れ。
当初、経営は順調でした。
年間売上高も約1700万円と、生活するには十分でした。
ここで拡大路線へ。
銀行と日本政策金融公庫から借入れをして、それを資金に新たに店舗を出し、他店舗営業を開始。
従業員も増員し、3人雇用。
しかし、新店舗の立地が整体院には向かなかったことや、従業員を増員したものの全体的なサービスの質は低下してしまったこと等から、逆に顧客が減ってしまいました。
結局、上記店舗は閉鎖し、自宅を使っての営業に戻しました。
従業員も解雇。
その後も売上げは思うように回復せず、年間売上高は約300万円程度に。
事業拡張時の債務を返済できず、相談に来ました。
出張による収入増
1900万円の債務となると、負債額基準で、最低300万円の支払いが必要になります。
年収300万円程度で住宅ローンがあるとなると、履行可能性に疑問が持たれます。
この点については、家の整体院で予約が入らない時間帯に、他の整体院に行き、フルコミッションで働くようになり、月額で、数万円程度の収入増が見込めるということでフォローできました。
整体師、マッサージ師などでは、このような副収入を得ている人も多いでしょう。
土地建物を自宅兼店舗として使用していることについて
自宅を残したいということで、住宅ローン条項を利用します。
しかし、住宅ローン条項の利用には、2分1以上のスペースが自宅として居住用でなければなりません。
この点で、二世帯住宅や、自宅兼店舗の人は注意が必要です。
今回は、2分の1以上のスペースが、居住用の使用となっています。
参考に、図面を添付して、斜線を引いた部分が居住に使用中のスペースであることなど、明らかに2分の1要件を満たすことを示しました。
事業設備の価値について
整体・マッサージの仕事では、設備を購入しているような場合、その清算価値が問題になります。
今回、自宅にある美容機器や整体の道具について、買取業者に見積をお願いしましたが、全く値段がつかないと言われたこと、送料を負担してくれれば、無償で引き取ることは可能と言われたこと、決算書上は、減価償却費の価値が残っていますが、実際には無価値といえることなどを報告し、清算価値はゼロと評価してもらうことができました。
決算書上の数字にもよりますが、見積が必要なこともあるでしょう。
資金繰り表の作成
自営業者の場合、資金繰り表を提出し、そこから支払いができるということを示していきます。
帳簿等をしっかり作成されている自営業者であればよいのですが、残念ながら多くの場合、不十分なことが多いです。整体師、マッサージ師のかたでも、正確な確定申告ができていないということも多いです。
このような場合、通帳等から帳簿を作成し、数字の落とし込むところまでフォローが必要になります。
手続きの方針・結果
清算価値よりも、最低返済価格の300万円の金額が高いため、300万円が支払基準となりました。
約1900万円の借金を300万円程度まで減額する再生計画案を作成し認可されました。
今回は、保証会社の債務が1000万円以上と、過半数だったものの、反対はされずに認可されました。
自営業者の場合には、給与所得者等再生の選択はないため、過半数を握られている債権者がいる場合には、リスクは残ります。
自宅での自営業者の方から個人再生の依頼も多くありますので、借金でお困りの方はぜひご相談ください。