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ケース紹介69  Yさんの事例 

愛川町在住 ( 会社員 / 50代 / 女性 )

借入の理由:教育費 債務総額 460万円


愛川町にお住まいの50代の女性のケースです。

銀行系のカード、クレジットカードを中心に約460万円の借金があり支払えないという相談でした。

収入はあるものの、他で任意整理相談をしても払えない、破産には抵抗があるということで、個人再生を希望していました。

著者 弁護士石井琢磨

 弁護士石井琢磨
 更新:2021.7.29

 

中学時代の教育費

2人の娘についての教育費が借金の理由でした。

それぞれ、中学生の頃から、塾に通わなければならず、教育費がかかりました。


夫は、その仕事柄、月に2~3回しか帰ってこず、帰ってきたときも疲れて寝ていたり、メールしても返事をくれない性格でした。

塾代などで、お金が足りないときにも夫に相談ができず、自分名義でキャッシングをして塾代などを補っていました。

このように、夫婦間で、お金の負担を言い出しにくいという場合に、安易にキャッシングで補ったことが、多重債務の原因になってしまうことが多いです。

特に、一定額だけの生活費を渡されて、それでやりくりを求められる場合に、このような隠れた借金となりがちです。

 

対策としては、結婚後、早い段階で教育費を含め、お金のルールを決めておくことが考えられます。

こちらの動画でも解説しています。

 

短大や私立高校へ

このような家計で、中学生時代に借金生活となっていると、その後の教育費負担に耐えられるわけもありません。

それぞれの塾の費用や、習い事に通う必要があり、その費用も借り入れていました。

さらに、長女が短大に入るときに、学費は奨学金で補うことにしたのですが、入学金が足りず、このときは夫に相談するしかないと考え相談し、夫が教育ローンで借りて支払ってくれました。

また、二女は私立高校に行くことになり、ここでも予想以上に教育費がかかり、借金に頼ることとなりました。

 

夫に相談するも

相談者も自分の仕事の勤務時間を増やすなどして返済できているつもりでした。

しかし、返済ができていると思っていたものの、結局、他社からの借入で補っている状況で、徐々に借金は増えていました。

学費の件で、相談したのを機に、全体の借金のことを夫に相談するも、自分で作った借金なのだから自分で解決するよう言われてしまいました。

そこから、借金の解決方法を調べ、任意整理を進めようとしましたが、毎月の返済が9万円になると言われ、とても払えないと考え、借金を減額してもらえる個人再生手続を使うしかないと考えるようになり、相談に来ました。

 

奨学金の保証

相談者名義の通帳から引き落とされている日本学生支援機構の内容を確認しました。

これは、娘名義の奨学金の返済でしたが、返済口座を最初に設定するときに、仕事を辞めることもあるかもしれないと考えて、相談者名義の口座で設定したものです。

相談者も夫も保証人にはなっていません。機関保証でした。

現在、娘は仕事をしているので、娘から返済金を毎月受け取っているとのことで、それを報告書にまとめました。

奨学金について、保証人になっている場合には、それも債権者一覧表に載せることになります。

 

偏頗弁済

弁護士への依頼時には、すべての債務を届け出て、受任通知により支払を止めなければなりません。

ただ、少額の債務などでモレがあり、これが申立前の打ち合わせで発覚することもあります。

そのような不公平な弁済、偏頗弁済があると、これは財産として加算されます。

自己破産の場合、偏頗弁済については破産管財人が回収して配当の原資となります。

そのため、破産とリンクする清算価値でも偏頗弁済額が上乗せされるのです。

 

参考リンク

Q.偏頗弁済するとどうなりますか?

本件でも、このような偏頗弁済があったため、清算価値に上乗せされています。

もっとも、資産はなかったため、支払い額に影響はありませんでした。

 

送金代行

個人再生の再生計画認可確定後の支払ですが、銀行振込になります。

基本的には債権者へ分配して送金することになります。

こちらの支払についても、事務所で代行してほしいとのご依頼があったので、対応しています。

債権者の変更等の連絡もすべて事務所で対応することになります。

これにより、3年間の支払管理を行い、無事に計画通り完済まで進めています。

手続きの方針・結果

清算価値よりも、最低支払い額の約100万円の方が高く、これが支払基準となりました。

約460万円の借金が100万円程度に減額されました。

 

 

 

愛川町にお住まいの方から個人再生の依頼も多くありますので、借金でお困りの方はぜひご相談ください。

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