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ケース紹介74  Yさんの事例 

小田原市在住 ( 会社員 / 50代 / 男性 )

借入の理由:車、太陽光、生活費 債務総額 1900万円


小田原市にお住まいの50代の男性のケースです。

消費者金融や、銀行系からの債権回収会社に対する負債が約1900万円あり、返済ができないとの相談がありました。

住宅ローンもあるため、基本的には個人再生を選択する人が多い金額帯です。

著者 弁護士石井琢磨

 弁護士石井琢磨
 更新:2021.7.29

 

事故による借金

借金のきっかけは、車の事故を起こしてしまったことでした。

この交通事故で罰金を支払うために借入を開始。

また、免許が必要だったため、その再取得の費用も借金で補いました。

蓄えがないなかでの交通事故、免許失効という突発的な事情で借り入れをしてしまったというケースです。

 

さらに、職場への通勤に車を使っていたところ、免許が失効していた期間中、自宅から職場には通えなかったため、友人宅に住ませてもらい、自宅での生活以上に生活費がかかってしまい、徐々に借金が増えてしまいました。

 

親の事業費用

親が個人店を構えて自営業を営んでいたのですが、赤字だったこともあり、移転を勧め、相談者が移転費用を負担。

その支払のために借入をしたという経緯がありました。

理論上は親への貸付ということになり、そもそも赤字事業であれば清算させる方が良いという考え方もあります。

しかし、高齢の親の場合、仕事をしていることで、健康を維持できるというケースも少なくありません。

事業を辞めさせたら、痴呆が進み、介護が必要になってしまったという声も多いです。今回は、50年ほども続けてきたお店ということでした。

そうすると、多少の赤字でも事業を継続させた方が家族の負担は少ないという可能性もあるわけです。

今回も、そのような考えで借り入れで補ったという話でした。

 

 

家族の医療費

しかし、その後、親が倒れ、医師からはいつ亡くなってもおかしくないと言われました。親が事業をしていたことで借金をしたとも聞いていたので、それを調査しようとしたのですが、親の生前では本人確認のため回答が得られず、また、親も意思疎通ができない状態のまま何ヶ月も入院が続いていました。

その間の医療費負担も発生しました。また、親の状態が悪くなったりすると、病院に通い詰め、家で食事ができず外食続きになってしまい、食費が高くなってしまう時期もありました。

残念ながら、親はその後に他界。多額の負債があることが判明しました。

 

事業の継続

親の店舗は継続できなくなり、閉めました。

ただ、親が対応していた取引先1社からの仕事だけは、店舗がなくても残ったため、今は相談者が引き継いで対応していました。店舗、設備などはありません。

連絡があったら、個別対応をしたり、自分が動けないときには、知り合いの業者に頼んで作業をしてもらいました。


会社員としての、本業で空いている時間にのみ対応しているので、売上は年間でせいぜい数十万円でした。

確定申告をしようと思い、青色申告会に行ったものの、利益が少ないので、確定申告書への記載は不要と言われる程度でした。

 

家計状況の審査

赤字事業の問題や、親の医療費、葬儀費などの支出があったことから、過去の家計状況は通常期と異なる収支となっていました。

申立直前の家計状況がこのような場合、申立後にも家計状況を提出したり、今後の収支についてのシミュレーションをしたうえで履行可能性を示していく必要があります。

本件でも、そのような対応で履行可能性を認めてもらえています。

 

5年の分割払い

本件では、借金の金額から、再生計画案の最低弁済額が約300万円となりました。

3年での弁済はかなり厳しく、特別な事情があることを説明して、5年での弁済による再生計画案を作成、認可されました。

 

送金代行

再生計画案で減額された借金は、毎月、債権者に振込送金するのが原則です。

ただ、公的機関の債権者もあり、そこは納付書での支払を求められました。

これらの債権者への返済について管理が大変だということで、事務所による送金代行手続きを利用したいとの希望がありました。

そこで、納付書での納付も含めて、事務所で管理し、5年の弁済代行を最後まで終わらせることができました。

このような送金代行を使っていると債権者からの口座変更連絡、合併等による名称変更連絡、債権譲渡連絡なども弁護士あてにされるため、連絡が煩わしいという人は利用することが多いです。

 

 

 

今回の減額額は、約1600万円というものでした。

 

 

小田原市にお住まいの方からの個人再生の依頼も多くありますので、借金でお困りの方はぜひご相談ください。

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