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ケース紹介72  Kさんの事例 

横浜市瀬谷区在住 ( アルバイト / 50代 / 女性 )

借入の理由:電話占い 債務総額 420万円


横浜市瀬谷区にお住まいの50代の女性のケースです。

銀行系の借り入れがあり、約420万円の借金。自身の収入だけでは、返済ができないとの相談でした。

著者 弁護士石井琢磨

 弁護士石井琢磨
 更新:2021.7.29

 

電話占い

借り入れのきっかけは、電話占いでした。

電話占い、ネット占いに依存してしまい、借金を背負ってしまう人も少なくありません。

男性ではあまり聞きませんが、女性の場合にはかなりの金額を使ってしまう人もいます。

相談者は、親子関係、夫婦関係、職場で人間関係がうまくいっておらず、周囲に知人もいなかったので、疎外感を感じるようになり、電話の占いに手を出すようになりました。


はじめのうちは、自分の給料の範囲内で利用していましたが、次第に借り入れをしないと間にあわないくらいの金額を使うようになりました。

使用していた期間は半年ほど。

ただ、多いときには、月30万ほどの利用になってしまっていました。

自身の収入では足りず、管理していた夫の給与、家族の保険からの契約者貸付で利用代金を払った後に、カードローンを利用するようになってしまいます。

 

任意整理

使用していたカードローンの返済に行き詰まり、借金相談をした結果、任意整理を試みました。

和解が成立し、3年程度ので分割の支払を始めました。


しかし、任意整理をしても、再度、電話占いを始めてしまい、また債務が増えてしまいました。


その後は、アルバイトを増やすなどして返済を続けていたものの、体調を壊し、働けない時期もあり、手取り収入が激減してしまい、任意整理による支払もできなくなってしまいました。

 

雇用期間がある際の収入

個人再生では、継続した収入があることが要件とされています。

アルバイト、パート、契約社員などの雇用期間がある場合には、それが更新されるのかどうか実態が問題視されます。

関連リンク:Q.個人再生が認められる「収入」要件とは?

 

今回のメインの職場では、勤務条件通知書において、期間が1年間となっていました。

しかし、職場の安定性や過去の実績などから、今後も、継続雇用となることを説明し、収入要件はクリアできました。

 

家計状況の説明

生活費の大半を配偶者などの家族の収入で補い、自分の収入からは返済をメインに行うという場合、全体の家計状況が問題となります。

光熱費等の支払の場合、家族の預金口座からの引き落としの場合には、その預金取引の明細、現金で払っている場合には、支払った際の領収書などを提出します。

オール電化となっているため、ガス代の支払いがないような場合には、その説明が必要です。

電話代等が家族のクレジットカードで引落になっているような場合には、その明細等を提出します。

 

また、家計状況は過去3ヶ月分を提出しますが、そのなかで、親族の結婚式など一時的な臨時費用がある場合にはその旨の説明をするとともに、通常月の家計状況がどのようなものなのか、そこから返済できる履行可能性がありそうかシミュレーションが必要です。

 

保険契約の変更

借金問題で家庭内でトラブルがあったりすると、保険などの財産の名義変更を求められることがあります。

離婚で保険の名義を変えるなどが典型例です。

多額の借金を負った状態での名義変更は、自己破産と同じく問題視される可能性がありますので、ご注意ください。

今回も、任意整理後、弁護士に依頼前に、保険の契約名義変更があり、裁判所から指摘されました。

しかし、解約返戻金がない掛け捨ての保険で、財産価値がなかったため、問題はありませんでした。

預金明細など過去のものから保険料支払事実を指摘されることになりますので、どのような変更をしたのかなども整理する必要があります。

 


手続きの方針・結果

財産として、一定額の保険や預金がありましたが、100万円には満たない額でした。

借金も420万円程度でしたので、最低支払い額である100万円が返済基準となりました。

約300万円の減額を得ることができたことになります。

 

 

 

横浜市瀬谷区にお住まいの方からの個人再生の依頼も多くありますので、借金でお困りの方はぜひご相談ください。

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